「マイルを貯めるなら ANA と JAL のどちらがいいですか」という質問は、マイル初心者の定番です。結論から言うと、2 つのプログラムの基本的な仕組みはよく似ていて、どちらか一方が圧倒的に有利ということはありません。違いが出るのは、所属するアライアンス、提携している航空会社や店舗、家族でマイルをまとめる仕組みといった「使い方の周辺」です。この記事では、具体的な数字ではなく仕組みの違いに絞って、自分に合うプログラムを考えるための観点を整理します。
共通している基本の仕組み
まず、2 つのプログラムで共通している部分を押さえておきます。ここが分かっていると、違いが際立って見えます。
- 入会金・年会費は無料で、誰でも登録できる
- フライトで貯まるマイルは「区間の距離」×「運賃の種類ごとの積算率」で決まる
- クレジットカードの利用や提携店舗の利用でもマイルが貯まる
- 貯めたマイルは特典航空券、座席のアップグレード、提携ポイントへの交換などに使える
- マイルには有効期限があり、期限を過ぎた分から失効する
マイルの貯め方と使い道の全体像は マイルとは? 貯め方の種類と使い道の仕組みを初心者向けにまとめて解説 で解説しています。ここから先は、両者で違う部分を見ていきます。
違い 1: 所属するアライアンスが異なる
最も大きな違いは、所属する航空連合(アライアンス)です。ANA はスターアライアンス、JAL はワンワールドに加盟しています。
アライアンスに加盟している航空会社どうしは、互いの便でマイルを貯めたり、特典航空券を発券したりできます。つまり、ANA マイルはスターアライアンス各社の便で、JAL マイルはワンワールド各社の便で貯めやすく、使いやすいということです。
| 観点 | ANA(スターアライアンス) | JAL(ワンワールド) |
|---|---|---|
| 提携便でのマイル加算 | 加盟各社の便で加算できる | 加盟各社の便で加算できる |
| 提携便の特典航空券 | 加盟各社の便に発券できる | 加盟各社の便に発券できる |
| 加盟社の傾向 | 加盟社数が多く、路線網が広い | 加盟社は絞られるが、主要地域はカバー |
どちらが有利かは、よく行く地域と、そこへ飛ぶ航空会社がどちらのアライアンスに属しているかで決まります。海外出張や旅行で使う航空会社が決まっている人は、その会社の所属アライアンスから逆算するのが確実です。

違い 2: 日常の提携先と貯め方の得意分野
フライト以外でマイルを貯める場面では、提携先の顔ぶれに違いがあります。どちらもクレジットカード、電子マネー、通販、店舗など幅広く提携していますが、細かく見ると得意な領域が違います。
- ポイント交換の提携先: 共通ポイントや電子マネーとの交換ルートが異なる。普段使っているポイントがどちらに交換できるかを確認する
- 日常の買い物: 提携する店舗やサービスのラインアップが異なる。通勤や生活圏で使う店がどちらと提携しているかで、貯まりやすさが変わる
- 提携クレジットカード: それぞれ専用のカードがあり、フライトのボーナスマイルや買い物の還元の仕組みに違いがある
たとえば、通勤で使う電車の交通系 IC カード、毎月の携帯電話代、よく行くスーパーやドラッグストア、ネット通販といった固定的な支出が、どちらのプログラムに集めやすいかを見ます。固定費は金額が大きく毎月発生するため、ここをマイルに変えられるかどうかで年間の貯まり方が大きく変わります。
「どちらが貯まりやすいか」は人によって答えが変わります。自分の普段の支払いを書き出して、どちらのプログラムに流し込みやすいかを見るのが近道です。ポイントの交換ルートは変更されることがあるので、交換前に公式サイトで最新の条件を確認してください。
違い 3: 家族でマイルをまとめる仕組み
家族で旅行する人にとって重要なのが、家族のマイルを合算して特典航空券に使える仕組みです。ANA には「ANA ファミリーマイル」、JAL には「JAL マイレージバンク ファミリークラブ」という制度があり、どちらも登録した家族のマイルをまとめて使えます。
ただし、対象になる家族の範囲、登録の条件、合算できるマイルの種類、年会費の有無などは、プログラムごとに細かく異なります。家族の人数や住んでいる場所によっては、一方しか条件を満たせないこともあります。家族利用を前提にするなら、登録条件を先に確認してからプログラムを選ぶと後悔がありません。
違い 4: 特典航空券の仕組みの細部
特典航空券の基本の仕組みは共通ですが、細かい部分には違いがあります。
- 必要マイル数の決まり方: どちらも区間や座席クラスで変わるが、繁忙期や便ごとの空席状況の反映のしかたが異なる
- 予約の受付開始時期: 何日前から予約できるかの設定が異なる
- 変更・取消の条件: 手数料の考え方や、マイルが戻る条件に違いがある
- 必要マイル数の改定: どちらも定期的に見直されており、改定の時期や内容は公式サイトで発表される
必要マイル数は改定されることがあるため、この記事では具体的な数字を書いていません。特典航空券の考え方と予約の流れは 特典航空券の仕組みとは? 必要マイル数の考え方と予約までの流れを解説 で整理しているので、あわせて読むと全体像がつかめます。
自分に合うプログラムの選び方
ここまでの違いを踏まえて、選ぶときの観点を 3 つに絞ります。
- よく乗る航空会社と、その所属アライアンスで決める。年に数回でも決まった路線に乗るなら、これが最優先
- 普段の支払いを流し込みやすい方を選ぶ。使っているクレジットカード、ポイント、店舗が提携している方
- 家族利用なら、家族合算の登録条件を先に確認する
「両方貯める」という選択もあります。ただし、マイルは 1 つのプログラムに集めた方が特典航空券に届きやすいので、初心者のうちはメインを 1 つ決めて集中する方が結果が出やすい傾向があります。
よくある質問
国内線しか乗らない場合はどちらでも同じですか。 国内線だけなら、フライトで貯まる仕組みはほぼ同じです。日常の提携先と家族合算の条件で選ぶと、違いが出ます。
片方のマイルをもう片方に移せますか。 ANA と JAL のマイルを直接交換する仕組みはありません。貯め始める前に、どちらに集めるかを決めておく方が無駄がありません。
LCC を使うことが多い場合は。 LCC の多くはどちらのアライアンスにも加盟していないため、フライトでは貯まりません。その場合は日常の提携先の使いやすさで選ぶのが現実的です。
まとめ
- ANA と JAL のマイルプログラムは基本の仕組みが似ていて、一方が圧倒的に有利ということはない
- 最大の違いはアライアンス。ANA はスターアライアンス、JAL はワンワールドで、提携便の貯めやすさと使いやすさが変わる
- 日常の提携先、家族合算の条件、特典航空券の細部にも違いがある
- よく乗る航空会社、普段の支払い、家族利用の 3 つの観点で選ぶ
- 初心者は 1 つに集中して貯めた方が特典航空券に届きやすい
貯めたマイルを使う旅行では、宿の予約でもポイントを意識しておくと無駄がありません。
